胃がん

胃がんとは

私たちの胃は、食べたものを消化するために、内側が粘膜で覆われています。この粘膜の細胞が、何らかの原因で「がん細胞」に変化してしまうことがあります。
がん細胞は、周りの細胞に影響を与えることなく、自分勝手にとにかく増え続けます。これが「胃がん」です。日本では、がんによって亡くなる方のうち、胃がんは3番目に多い病気で、特に男性に多く見られます。(2023年度人口動態統計がん死亡データ)
近年では、医療技術の進歩により、早期に発見できれば完治する可能性も高くなっていますので、少しでも不安を感じられたら、早めに病院で検査を受けることが大切です。

胃がんの症状

初期の胃がんは、ほとんど自覚症状がありません。そのため、健康診断などで偶然発見されるケースが多いです。がんが進行すると、以下のような症状が現れることがあります。

  • 胃の痛み
  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 貧血
  • 血便(黒色便)

これらの症状は、胃がん以外にも、胃潰瘍や胃炎などでも見られるため、自己判断せずに胃腸科や消化器内科を受診することが大切です。

胃がんセルフチェックシート

胃がんは早期の段階で発見できれば高い確率で治すことができます。しかし、胃がんの初期段階においては自覚症状がほとんどないと言われています。痛みなく、気づかないのが初期の段階です。したがって、疑わしい症状が現れた場合は早く検査を受けることが大切です。

あなたの胃がん危険度

  • 基本項目のチェックが0~6個
    胃がん危険度「低」

    胃がんの可能性は低いです。胃がんの早期発見ができるよう、定期的に検査を受けるようにしましょう。

  • 基本項目のチェックが7個以上
    大腸がん危険度「中」

    胃がんの可能性があります。胃がんの確認は様々な検査で行えますが、当院では安価で簡単に実施できる内視鏡検査を推奨しております。

  • 重要項目のチェックが1個でもついたら
    大腸がん危険度「高」

    胃がんの疑いが大きいです。早急に内視鏡検査の実施することをお勧めします。

胃がんの原因

胃がんの明確な原因は解明されていませんが、以下の要因がリスクを高める可能性があるとされています。

  • 生活習慣

    ストレスや睡眠不足なども、胃がんのリスクを高める可能性があります。

  • 遺伝

    胃がんの家族歴がある場合、発症リスクが高くなる可能性があります。

  • 食生活

    塩分の過剰摂取、喫煙、過度の飲酒などは、胃がんのリスクを高める可能性があります。

  • ピロリ菌除菌後

    ピロリ菌を除菌すれば胃がんのリスクは下がりますが、ゼロになるわけではありません。 除菌後も胃がんになる可能性はあるので、定期的な胃カメラ検査で早期発見に努めましょう。

  • ヘリコバクター・ピロリ菌感染

    胃の粘膜に生息する細菌で、慢性胃炎や胃潰瘍を引き起こし、胃がんのリスクを高めます。

胃がんの診断方法

胃がんの診断には、主に最初に下記の検査が行われます。

  • 胃内視鏡検査(胃カメラ)

    口から内視鏡という先端にカメラが付いた医療機器を挿入し、食道、胃、十二指腸の内部を観察します。胃がんの早期発見に最も有効な検査方法です。抵抗感を感じられる患者様も多いですが、当院では痛みに最大限考慮した胃カメラ検査を実施しておりますので、ご安心ください。

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  • バリウム検査

    バリウムを飲んでレントゲン撮影を行い、胃の形状や病変の有無を調べます。胃カメラに比べて精度は劣りますが、検査費用が安く、身体への負担が少ないというメリットがあります。ただ、がんの見落としが胃カメラ検査に比べ発生しやすいので、胃カメラ検査をおすすめします。

  • ABC検診(胃がんリスク検診)

    多くは検診として行われている血液検査で胃がんのリスク判定をする検査です。胃の粘膜の萎縮度を表すペプシノーゲンとヘリコバクター・ピロリ菌の抗体価を組み合わせてA〜Dまでの4群で評価します。陽性と判断された場合は胃カメラ検査を受けられることを強くお勧めしています。

胃がんの治療法

げっぷは通常は心配ありませんが、病気のサインであることもあります。げっぷと共に次のような症状が現れる場合は、注意が必要です。

  • 内視鏡治療

    早期胃がんの場合、内視鏡で切除が可能です。

  • 外科手術

    進行がんの場合、胃の一部または全部を切除します。

  • 薬物療法

    抗がん剤を用いた化学療法、免疫チェックポイント阻害剤を用いた免疫療法などがあります。

  • 放射線療法

    放射線を用いてがん細胞を破壊します。ただし、胃がんは放射線療法が効きにくく原則外科的切除が標準的な治療方針です。陽子線治療や重粒子線治療などが先進医療として行われることもあります。

当院での胃がん検査と治療について

中川外科胃腸科では経験豊富な消化器内視鏡専門医が、最新の内視鏡機器(胃カメラ検査)を用いて、正確な診断と適切な治療を提供しています。患者様の苦痛を最小限に抑えるよう、鎮静剤の使用など、様々な工夫を凝らしておりますので、ご安心して検査をご受診いただけます。
治療法は、がんの進行度や患者様の状態に合わせて決定いたします。手術が必要な場合は、周辺の連携病院へご紹介いたしますのでご安心ください。

広島市の胃がん検診について

中川外科胃腸科は広島市認定の『胃がん医療ネットワーク』のスクリーニング内視鏡検査施設です。
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/gan-net/iryou-network-i-hiroshima.html#kensa
当院では、胃がんの早期発見・早期治療のために、広島市が実施する胃がん検診に対応しております。

対象者 40歳以上の広島市民の方
検査内容 胃カメラ検査(経口・経鼻)
※検査時の苦痛を和らげるため、鎮静剤の使用も可能です。ご希望の方はご相談ください。
備考 大腸がん検診、肺がん検診も実施しております。

府中町にお住まいの方
当院は府中町に隣接しており、府中町にお住まいの方の検診も受け付けております。お気軽にご相談ください。

バリウム検診を受けられている方へ

診察中の医師

バリウム検査は、胃の全体像を把握するには有効な検査ですが、胃カメラ検査と比較すると、早期がんの発見率が低いという側面があります。胃がんは自覚症状がないことが多いため、早期発見のためには、精度の高い胃カメラ検査が有効です。健康診断などでバリウム検査を受けられた方で胃カメラ検査をまだご受診いただいたことがない方は、胃カメラ検査をご受診いただくことをおすすめします。

監修:中川外科胃腸科

当院は、電話もしくはインターネットでのご予約を承っております。

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