炎症性腸疾患(IBD)
このようなお悩みはありませんか
- 血便がでた
- 下痢
- 腹痛
- 若いころからずっと下痢・便秘をしている
- 肛門からうみがでる
- 肛門にできものができた
- 炎症性腸疾患でずっと悩んでいる
もしかすると、炎症性腸疾患の症状かもしれません。
症状を我慢したり、放置したりすることは大変危険です。
症状が繰り返し現れる場合、適切な治療を受けない、合併症の発症、発がんリスクの上昇などリスクが伴います。
炎症性腸疾患とは?
炎症性腸疾患(IBD)は、腸に慢性的な炎症を引き起こす難病です。主に潰瘍性大腸炎とクローン病の2つに分類されます。これらは自己免疫疾患の一種で、体の免疫システムが誤って自分の腸を攻撃することで炎症が起こります。主な違いは以下の通りです。
特徴 | 潰瘍性大腸炎 | クローン病 |
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主な症状 | •血便 •下痢 •腹痛 •発熱 |
•腹痛 •下痢 •体重減少 •発熱 •肛門周辺の病変 |
炎症の場所 | •大腸のみ | •口から肛門までの消化管全体 |
炎症の深さ | •粘膜層のみ | •粘膜層から筋層まで |
炎症性腸疾患の原因
炎症性腸疾患は、体の免疫システムが誤って腸を攻撃してしまうことで起こります。なぜこのような免疫の混乱が起きるのか、まだ完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。
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1. 遺伝的な影響
炎症性腸疾患は必ずしも遺伝するわけではありませんが、ご家族に患者さまがいる場合、発症する可能性が少し高くなります。ただし、これは運命づけられたものではありません。
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2. 食生活の変化
昔は欧米に多い病気だと言われていました。そのため、私たちの食生活が欧米化したことも、この病気が増えた理由の一つかもしれません。しかし、これは単なる仮説の一つで、食事だけが原因ではありません。
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3. ストレスの影響
日々の生活で感じるストレスが、症状を悪化させることがあります。ストレスそのものが原因ではありませんが、病気の経過に影響を与える可能性があります。
潰瘍性大腸炎の症状
潰瘍性大腸炎は主に大腸の粘膜に炎症を起こす疾患です。主な症状には以下のようなものがあります。潰瘍性大腸炎の特徴は、炎症が腸の粘膜層に限局していることです。
炎症性腸疾患の検査方法
炎症性腸疾患の診断には、以下の検査を組み合わせて行います。
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Flow01
問診
詳細な症状の聴取と家族歴の確認を行います。
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Flow02
肛門鏡
潰瘍性大腸炎をお持ちの方は、直腸に炎症を起こしている場合が多いです。そのため、肛門鏡を用いて、炎症の有無を確かめます。また、クローン病の場合は、肛門付近に病変がある場合が多いので、それも確認します。
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Flow03
大腸カメラ検査
クローン病の場合、小腸の末端にも炎症が起こる可能性があるので、当院では炎症性腸疾患の疑いがある方には、大腸に加えて小腸まで診ます。
炎症性腸疾患の治療法
当クリニックでは、患者様の症状や病態に合わせて最適な治療法を選択します。
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1. 薬物療法
炎症性腸疾患の治療では、症状の程度に応じて段階的に薬を選択していきます。まるで階段を上るように、必要に応じて治療の強さを調整していきます。
- 5-ASA製剤(例:メサラジン)
- ステロイド
- 免疫調節薬
- 生物学的製剤(例:抗TNF-α抗体)
- JAK阻害薬
- 手術療法
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2. 食事療法
「この食べ物を食べたら調子が悪くなった」という経験はありませんか?炎症性腸疾患の症状は食事と密接に関係しているので、当院がおすすめしているのは「食べて研究」する方法です。
- 毎日の食事と症状を記録する
- 体調の良い日、悪い日の食事の違いを観察する
- 少しずつ食べ物を試して、自分に合うものを見つける
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3. 定期的な効果確認
治療がうまくいっているかを確認するため、定期的に大腸カメラ検査を行います。基本的には半年に1回、また患者様の状態に応じて頻度を調整していきます。また、検査結果を一緒に確認しながら、必要に応じて治療方針を微調整していきます。
炎症性腸疾患患者さんの日常生活
適切な治療を受け、症状がコントロールされている患者様は、ほぼ通常の日常生活を送ることができます。女性であれば妊娠、出産されている方も沢山います。一方で、服薬ができていない、であったり定期的なクリニックへの受診ができずお薬が一か月遅れてしまっているなどリズムがつかめない方はなかなか症状がよくなりません。そのため、正しい診断を受け、正しくお薬を服用することが、日常生活に戻る近道です。
よくある質問
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Q
炎症性腸疾患は完治しますか?
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A現在の医学では完治は難しいですが、適切な治療により症状をコントロールし、長期的な寛解を維持することが可能です。
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Q
炎症性腸疾患があると妊娠・出産はできませんか?
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A適切な治療を受け、症状がコントロールされていれば、多くの場合、妊娠・出産は可能です。ただし、事前に主治医と相談し、綿密な計画を立てることが重要です。
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Q
炎症性腸疾患の治療は生涯続けなければいけませんか?
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A多くの場合、長期的な治療が必要ですが、症状の程度や経過に応じて、治療内容を調整していきます。定期的な通院と主治医との相談が重要です。
炎症性腸疾患と発がん
潰瘍性大腸炎は、罹患後8年程度、クローン病であれば、罹患後10年程度で大腸がんや小腸がんのリスクが上昇すると言われており、長期にわたる炎症性腸疾患は、大腸がんのリスク因子となることが知られています。
そのため、健康のためには定期的な検診が必要です。
炎症性腸疾患(IBD)でお悩みの方は当院まで
当院は、消化器内科・大腸肛門病および内視鏡の専門医であり、炎症性腸疾患(IBD)の診断と治療について高い専門性を持っています。そのため、腸疾患の症状が、ただ一時的な腸の不調なのか、慢性的な炎症性疾患なのかを、診察や必要な検査をしながらじっくりと判断することが可能です。
当院は広島駅から徒歩圏内にあり、専用駐車場も10台分完備しているため、広島市全域からのアクセスが非常に便利です。炎症性腸疾患(IBD)の症状に不安を感じている方や、過去に診断を受けたものの症状の悪化やお悩みがある方は、ぜひ一度中川外科胃腸科にご来院ください。経験豊富な専門医が、丁寧な診察と最適な治療で皆さまの健康を支えます。
当院は、電話もしくはインターネットでのご予約を承っております。
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