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痔核には、痛みが少なく出血と腫れが主の『内痔核』と、痛みのある腫れの『外痔核』とがあります。出血が癌ではなく痔核からだと診断がつけば多くの痔核は手術せずに薬で軽減します。
『内痔核』
内痔核で薬だけでは治りにくいものには、硬化療法やゴム輪結紮術、結紮切除術という方法を考えます。
硬化療法、ゴム輪結紮術は麻酔なしで、外来で治療が出来ますが、外来通院が可能な場合でも、手術後の安静は必要です。硬化療法でもジオン(一般名ALTA)という注射を使う場合は、入院治療を勧めることもありますし、入院して切除手術が必要なものもあります。
硬化療法の話をもう少し詳しく説明しましょう。
硬化療法とは、昔から民間療法としていぼ痔を腐らせてしまう治療(腐食療法)から始まったものです。PAO(5%アーモンド油)という油性の注射と、ジオン(ALTA)という水性の注射があります。
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| 内痔核手術後 |
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ALTA注射(硫酸アルミニウム・カリウム水和物)は中国の史教授が1991年に消痔霊という注射液を内痔核に四段階に注射する方法を開発し、2005年に日本の製薬会社が注射液を安定化させてALTA(ジオン®)注射を製品化しました。ALTA注射はU度V度の大きさの内痔核に四段階に注射治療する方法です。注射した内痔核部位は2〜3か月で炎症から繊維化して縮小します。当院でも2005年5月から適応症例を選びながら症例数を増やして来ました。今や内痔核手術の第1選択にALTA4段階療法になっておりますが、妊婦さんや腎機能の悪い人には使えません。また外痔核や肛門皮膚のたるみのあるものには効果がありません。そこで合併している痔核にはALTA四段階療法と結紮切除術の併用療法を行います。
PAO注射は長い経験から安全性ははっきりしていますが、その効果は1年位、出血性内痔核には有効で、効果のある間に悪い排便習慣を改善して痔の再発を予防します。
一方ALTA注射は、注射した内痔核部位が炎症を起こして2〜3か月で炎症から繊維化して痔核部位が縮小して行きます。ALTA四段階注射は肛門科でも必ず講習を受けなくては使用できません。
患者さんは、痔核に接着剤を注射したイメージをしていただくと良いと思います。
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| ジオン注射前 |
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| ジオン注射後 |
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『外痔核』
外痔核は、肛門の上皮に出来るいぼ痔なので、痛みがあります。薬で治ることが多いのですが、腫れと痛みが強いものは麻酔をし、血栓除去術を行うこともあります。外痔核には硬化療法は行いません。
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| 『きれ痔(裂肛)』 |
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きれ痔(裂肛)も肛門の上皮が裂けるため、痛みと出血があります。ぬり薬や排便のコントロールで治療できるものと、外来で麻酔をして括約筋切開術という手術をする場合もあります。きれ痔でも、不充分な治療で慢性化し、肛門ポリープ、みはりいぼ、肛門狭窄になれば、切除して肛門を形成する手術が必要になります。(ふり分け結紮術、皮膚弁移動術)
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みはりいぼ、
肛門ポリープを伴う裂肛 |
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肛門腺が化膿して、膿がたまってきた状態を肛門周囲膿瘍といいます。 肛門の周りに膿がたまった状態です。これが破れてトンネルが出来てしまったものを痔瘻といいます。肛門周囲膿瘍は拡大しないように直ちに切開排膿し、痔瘻には根治手術が必要です。
痔瘻でも、シートン法手術で外来通院で治療できる方もあります。 |
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| 痔瘻シートン法手術後 |
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内痔核のとき肛門から直腸粘膜が出る脱肛とは違います。 排便の時、中腰で力んだ時に、直腸が肛門からストッキングを裏がえしにしたように
脱出してしまう病気です。
高齢化で肛門括約筋の力が弱くなり又、直腸の壁をささえる
支持組織が弱くなって脱出する病気です。
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| 直脱腸 |
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| 直脱腸 手術後 |
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肛門の治療は肛門を毎日使いながら治していかなくてはいけません。もちろん排便習慣の改善も必要です。痔核と診断つけば焦る必要はありませんが、こじれないうちに専門医に御相談下さい。
まず肛門の病気をはっきり診断することが必要です。恥ずかしがらずに受診して下さい。
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