診療について

私の診療基本姿勢

『体調がが悪くて、不安な思いで受診される』診察を受け、検査を受ける患者さんに納得のいく診療をしたい、納得のいく説明をしたい。
しかし診察・治療に時間のかかる患者さんもおられます。
時間の余裕をもって受診ください。 今一番具合の悪い事、不安な事をお話し下さい。
他院で治療を受けておられる病気、内服している薬を必ず教えてください。
正確な検査や診断、治療をする上でとても重要です。
特に糖尿病、心疾患、脳梗塞症、抗血小板剤内服中の患者さんは治療にあたり内服の注意事項があります。

私の内視鏡検査に対する考え

常々、患者さんに楽な検査、見逃しの無い検査を第一に考えております。
検査を受けるに当たり、不安なことはすべてご相談下さい。
患者さんとともに病気の不安を無くす検査が大切だと考えております。

胃の内視鏡検査を受けられる方へ

経鼻内視鏡と経口内視鏡

現在胃内視鏡検査には口からと、鼻から内視鏡を入れる方法とがあります。
当院では経鼻内視鏡は呼吸不全の患者に使用していますが二次精密検査が多く原則経口内視鏡検査を勧めております。

経鼻内視鏡

経鼻内視鏡のメリットは舌根部を刺激しないので患者の苦痛が少ない、その分検査する検者にも負担が少ないが、デメリットとしてはスコープの径が細いだけに画像が劣る、吸引、洗浄が劣る、処置が出来ない点と観察に夢中になると鼻甲介を傷つけ鼻出血を起こす、小顔で鼻すじの通った患者、アレルギー性鼻炎の患者、抗血小板剤内服中の患者にも経鼻内視鏡は勧められません。

経鼻挿入する前処置として鼻に細いチューブ、太いチューブと入れますがその段階で鼻に強い違和感を感じる患者さんは経口に変更します。

経鼻内視鏡

経口内視鏡

経口内視鏡は太径だから画像に優れ、洗浄、吸引、処置に優れているだけに患者さんに苦痛を与えないように工夫が必要です。

私は健診には経鼻内視鏡でも、二次・精密検査、治療には経口内視鏡と考えております。

不安と苦痛を無くすために経口内視鏡で軽い安定剤を使い、分光画像を駆使し微少病変も見逃さ無い検査に研鑚しています。

経口内視鏡

実際の検査の流れ

次のことをよくお守りください

  • ・ 前日 早めに夕食をお取りください。
  • ・ 当日 朝は何も食べないでご来院ください。

2 検査の流れ

※検査時粘膜に異常のある時には胃内視鏡検査時に生検をします。ピロリ菌も検査できます。

大腸の内視鏡検査を受けられる方へ

大腸検査はお腹に溜っている便を出して検査するため前処置が必要です。
そのために原則予約していただき前日から検査食を食べて頂いた方が下剤の量が少なくて楽です。残渣の無い綺麗な腸にして見逃しの無い検査をするように、前処置にも工夫しながら心掛けています。

通過障害がないことを確認し、日常の排便状態をお聞きして前処置をするために診察を受けて頂いた方が良いです。

高齢者の貧血には進行癌が潜んでいる事があるので可能であれば検査をお勧めしますが、 高齢になると大腸壁も薄く破れやすく前処置にも検査にも細心の注意が必要です

次のことをよくお守りください

  • ・ 前日
  • 【朝食】通常通り(消化の良いもの)お召し上がりください。
    【昼・夕食】指示の食事、または検査食をお召し上がりください。
    【午後8時】下剤を飲んでください。
    ※その後も、水やお茶は飲んでもかまいません。

☆下剤を服用後、吐き気、嘔吐、腹痛など体調が悪くなった時は服用をやめ、医師または看護師に連絡してください。
普段、便が出にくい人は腸が狭くなっている場合もあり、注意が必要です。
☆水の飲み方が少ないと、下剤を飲んでも腸内がきれいになりません。
検査前日の朝から、水分はできるだけたくさん飲んでください。

  • ・ 当日
  • 【朝食】何も食べないでご来院ください。
    ※喉が渇いたり、空腹感があれば、お茶や甘い紅茶は摂っていただいてもかまいません。

検査の流れ

内視鏡検査で大腸ポリープのあった場合、検査終了後に所見の説明をします。
炎症性ポリープなら切除治療は不要です。
小さくても腫瘍性ポリープなら内視鏡的切除の適応です。
扁平病変はEMR(内視鏡的粘膜切除術)、大きな病変でも粘膜内病変ならESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という方法があります。

※原則大腸内視鏡検査は前日前処置ですが、症状により絶食で来院され内視鏡が必要と判断される場合は腸管洗浄下剤を内服し検査を致します。

1回の採血で、複数のがんのリスクを評価!

アミノインデックス®️がんリスク・スクリーニング

はじめに~血液でがんのリスク(可能性)が分かる仕組み

ヒトの血液中には数々のアミノ酸が含まれており、その濃度は一定に保たれる ようにコントロールされています。 しかし、さまざまな病気(がんも含む)にかかると、一定に保たれているアミノ 酸濃度のバランスが崩れることが研究で分かっています。
この「血液中のアミノ酸濃度のバランス変化」に着目した技術によって可能となった検査が、“アミノインデックス がんリスク スクリーニング”なのです。

1 検査について

アミノインデックスがんリスクスクリーニングでは、血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがんである人のアミノ酸濃度バランスの違いを統計的に解析することで、現在、がんであるリスク(可能性)を評価します。
1回の採血(約5ml)で、複数のがんを同時に検査することができ、早期のがんにも対応しています。採血だけなので、体への負担が少なく気軽に受けられる検査です。

2 検査で対象となるがんの種類

現在は下記のがんのリスク(可能性)を評価することができます。

※子宮がん・卵巣がんについては、子宮頸がん/子宮体がん/卵巣がんのいずれかのがんであるリスクを評価することはできますが、それぞれのがんのリスクについて区別することはできません。

3 検査結果の見かた

結果が出るには約2週間程度かかり、報告書で確認できます。( 右図:報告書の見本)それぞれのがん種について、"がんに罹患しているリスク(可能性)"を0.0~10.0の数値(AICS値)で報告します。

4 がんリスク(可能性)の評価について

AICS値が高いほどがんであるリスク(可能性)が高く、判断する目安として、「ランクA」「ランクB」「ランクC」の3段階で表示されます。

ランクAは通常よりがんである可能性が低く(0.3~0.7倍)、ランクBはやや高く(1.3~2.1倍)、ランクCは高い(4.0~11.6倍)状態であることを表しています。ランクCはそれぞれのがんに対しての精密検査が必要となります。

検査についてのQ&A

Q1:検査の対象となるのは何歳からですか?

A

:下記年齢の日本人(妊娠されている方を除く)を対象として開発された検査です。
[対象がんと年齢]
 ・胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、乳がん:25歳~90歳
 ・前立腺がん:40歳~90歳
 ・子宮がん・卵巣がん:20歳~80歳

Q2:AICSを受ければ、他のがん検診は受けなくても大丈夫ですか?

A

:AICSは血液中のアミノ酸濃度からがんのリスク(可能性)を評価する新しい検査です。
今までのがん検査と併用することで、がんを見つけ出す可能性が高くなると考えられます。
その他の検査も受診するかどうかは医師と相談してください。

Q3:AICSは1度検査をすれば良いのでしょうか?

A

:AICSは採血時のがんであるリスクを評価するもので、生涯に渡ってのリスクを評価するものではありません。定期的に検査することをお勧めします。

Q4:がんのリスク評価で「ランクA」であれば、がんではないのでしょうか?また「ランクC」であれば、がんなのでしょうか?

A

:この検査はがんであるリスク(可能性)を評価する検査です。がんであるか否かをはっきりと判断するものではありません。

*がんであるリスクが ”0” の人はいませんので、「ランクA」でも、がんでないと は言い切れません。「ランクB」や「ランクC」であっても、必ずがんであると いうことではありません。また、血液中のアミノ酸濃度は様々な原因で変化するため、がん以外でもAICS値が高くなるので、「ランクB」や「ランクC」になる場合があります。
リスクに対する考え方や感じ方は個人により異なるので、リスクに対する判断や精密検査を行うかは受診した医療機関の医師とご相談ください。

いち早く見つけて、治療するために。

年1回のがん検診が大切な理由

なぜ、年1回の検診なの?
それは、 "がん細胞の成長する時間 ”に関係しています。
例として乳がんを見てみましょう。(下図参照)
乳がんの細胞は、発生してから1cmの大きさになるまでに約15年かかると言われており、この間は自覚症状はあまり出ません。

ところが、1cmから2cmになるまでには約1~2年と早い期間で成長します。この時には、がんはある程度進行している状態となっています。

このことから分かるように、がんを早期に発見するには、年に1回検診を受けることが望ましい とされているのです。

ステージ毎で変化していく5年生存率

がんはステージが進むごとに生存率が低くなります。
下のグラフで見ていくとステージ1の段階では高く出ていますが、ステージ2~4となるにつれて、その差が大きく出ているのが分かります。(下図参照)

近年、がんの診断技術や治療法は急速に進歩しています。
早期発見・早期治療により、がんによる死亡のリスクを減らすことができることから、定期的にがん検診を受けるようにしましょう。